【アーカイブ④】

2008年記

 

 

1年後の

ある夏の日のこと。

私はもう限界に達していた。


『あなたの言動では、もう私から気持ちが離れたと思わざるを得ない。本当の気持ちを教えて欲しい』という問いかけをした。

 

するとアイツの返信はこうだった。


『そう思いたければそう思えばいい』。

 

 

 

アイツは同じ土俵の上にすらあがらなかった。自分以外の人間の気持ちを推し量ることなど興味がないのだ。

何かがパチンと音をたててはじけた気がした。その瞬間、心の歯車は完全に合わなくなったことを確信した。

その日を境に『心の通い合い』を求めることはやめようと決めた。

私達の関係はひとつの区切りを迎えた。

 

 

 

それから現在にいたるまで、つかず離れずの私達。

数ヶ月に1回、割り切った関係のみで続いている。
心の通い合いがなくなっても、お互いにソウいう相手は必要だったのだ。

私のアイツに対する気持ちは、あの日を境に別のものを変わっていた。

転げ落ちる山の途中で、山の周りをグルグル回りながら、なかなか下りてこられない私達になっていった。