2008年記
1年後の
ある夏の日のこと。
私はもう限界に達していた。
『あなたの言動では、もう私から気持ちが離れたと思わざるを得ない。本当の気持ちを教えて欲しい』という問いかけをした。
するとアイツの返信はこうだった。
『そう思いたければそう思えばいい』。
アイツは同じ土俵の上にすらあがらなかった。自分以外の人間の気持ちを推し量ることなど興味がないのだ。
何かがパチンと音をたててはじけた気がした。その瞬間、心の歯車は完全に合わなくなったことを確信した。
その日を境に『心の通い合い』を求めることはやめようと決めた。
私達の関係はひとつの区切りを迎えた。
それから現在にいたるまで、つかず離れずの私達。
数ヶ月に1回、割り切った関係のみで続いている。
心の通い合いがなくなっても、お互いにソウいう相手は必要だったのだ。
私のアイツに対する気持ちは、あの日を境に別のものを変わっていた。
転げ落ちる山の途中で、山の周りをグルグル回りながら、なかなか下りてこられない私達になっていった。