【アーカイブ⑤】
2008年記
私には夫と子どもがいる。
アイツとの関係は割り切ったもの。
アイツは他人の気持ちに関心がない人間なのだ…
その状態が1年続いた。
そして出逢ってから丸2年後の夏。
ほんの小さなきっかけ。
それがなかったら私は自分の本当の気持ちから目を背け続けていただろう。
あんなに苦しかったのに。もう割り切っていたはずなのに。
私は今もアイツに想いが残っていることに気付いた。
『割り切った』なんて自分を納得させるための言い訳だったのかもしれない。
しかし出逢った頃のような関係にはもう戻れない。
アイツの心はもうとっくに私から離れているんだろう。
あの熱い日々は、夢の中の出来事。
私はアイツにその日々を再度、要求するつもりはない。
アイツが存在している。
重なりあって存在を確認する。
それ以上、何を望む必要があるのか。
第一、アイツは他人の気持ちを推し量れるような人間じゃない。
今の関係以上には、もうならないだろう。