1番好きな人って?

数年前

「今まで好きになった人」の話になったことがある。

 

誰が1番忘れられないか

だったか、

1番好きになった人はどんな人か

だったか、そんな話題だったと思う。

 

正直、私はそんな話をしたくないから、アイツが言い出したことには間違いない。

 

アイツは

就職前の若い頃、友達の友達で…写真に残ってる人…

詳細は忘れたけれど、そういう記憶に残ってる人がいるという。

 

今は東京かどこかそちら方面にいるのでは、みたいな話だった。

 

探して会ってみたい?と聞くと

 

繋がってる知り合いはもう誰も居ないから無理、と言っていた。

 

そんな話

なんで私にするんだろう。

私だってもちろん、相手の過去は気になるけど、気になってしまうからこそ聞きたくない。

 

そして私にも聞かれた。

 

私は特に居ない、と答えたと思う。だって本当だから。人を本気で好きになったことなんて無かったから。

 

でもアイツは納得しなかった。

やりとりは忘れたけれど、なかなか引き下がらなかったような気がする。

 

仕方ないので最後に

『君だよ』

と言った。

本当のことだから仕方ない。

 

 

私の話はさておき

そういう話をするのは、どうにも面白くなかった私は、なぜそんな話をするのか聞くと

 

隠したくない、というようなニュアンスのことを言っていた。

 

隠しておきたくないし知っておきたい、とでも言うのか。

 

正直にも程があるなと思いながら、昔の好きな人の話を聞いて面白くない私は

 

そんなこと聞きたくなかったよ、と伝えた。

 

今こうして思うと

私も嫉妬ってするんだな、と我ながら思った。

 

 

 

 

 

 

 

そのあとのやりとりは忘れたけど

 

数年経ってから、急に

『(1番好きだと言ってくれたことが)有り難いなぁと思った』

と呑気に言ってきた。

 

 

有り難い。

有り難いってなんだろ。

ファンになってくれてセンキュー!みたいな?

 

有り難い、という言葉は「受け身」に感じる。好意を受け取るのが嬉しいという。しかしそれ止まり。好意のベクトルは相互方向に向いていない。受け取るだけの片側通行。

 

だから

有り難い、と言われて

嬉しくはなかった。

 

そのセリフが今でもずっと心に引っ掛かっている。