ネックレス事件①

3年前(2020年)のネックレス事件。

 

18年前に付き合い始めてすぐの頃、アイツは私の誕生日にネックレスを買ってくれた。

 

一緒にジュエリーショップに行って、私が好きなデザインを選び、それをアイツが買ってくれたのだ。

小さなダイヤがあしらわれたホワイトゴールドのネックレス。つまりシルバー色のネックレスだ。

 

その後、長く使っているうちにチェーンが壊れてしまったので、自分で2回買い直した。

今はプラチナのチェーンを買い、ずっとつけている。

 

しかしコーデによってはゴールド色のアクセサリーをつけたい時がある。

 

その時はアイツのネックレスをつけることができない。

 

ゴールドのネックレスがあれば、どのコーデでも常につけていられる。 

 

アイツのネックレスを常に身につけていた私にとって、ネックレスは特別な物だった。

 

自分で買うより

家族に買ってもらうより

 

どうしてもアイツに買って欲しかった。1000円のものでもなんでも良かった。

 

私は彼に何かを買って欲しいとお願いしたことはない。でも近年ちょっと優しくなっていた彼に、少し甘えてみたい気持ちになった。

 

無理なら断るだろうと思い、試しに聞いてみると

 

少し面食らったようだったが、いろいろ話をしていくうちに

『君みたいな年代の人はちゃんとしたのをつけなきゃダメでしょ…』

と、送ってきたのが、10万のプラチナネックレスの画像と、同じく10万の腕時計の画像だった。

 

『プレゼントを交換しないか』

 

アイツはお金もないのに本物思考で、安物買いはあまり好まない。

 

私ももっと昔、お金のある時なら了承しただろう。

私があげた腕時計を常に身につけてもらえる、と思えば嬉しい気持ちになる。

 

しかし子ども達にお金がかかり、自由になるお金が無かった私はその話にのらなかった。

 

 

それが面白くなかったのか、更にいろいろ話しているうちに

 

だんだん二人ともエキサイトしてきて、普段の不満にまで話が及び

 

収拾がつかないくらいの大喧嘩に発展してしまった。

 

我を忘れたアイツは、私の尊厳を傷つけるような酷いことを次々に言ってきた。

 

そして揉めに揉め、私はついに彼のLINEアカウントを削除。それでも話が終わらず、めちゃめちゃになった。

 

そしてそのまま喧嘩別れ。仲直りするまで約1年かかった。

 

 

私は

アスペルガーに甘えるなんて無謀過ぎた

と反省した。

 

それ以来、二度とネックレスの話はしなかった。