忘れてた難しさ②「残った必要な女」他、引き出した言葉の数々

アイツ、怒ってるな

と思いながら

放置していると

 

『今から会えない?近くで仕事して帰るとこだけど』。

 

 

連絡がきたのは19:30。

 

さすがに

また今度、となった。

 

 

怒っていても次はケロリとしてるのもよくあるパターンだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

心のやりとりが苦手なアスペルガーのアイツだけど

 

このあと深夜までLINEのやりとりが続いた。そんな気分だったらしい。珍しくアイツが話し合いの場についた。

 

 

 

 

 

 

話していくうちに、流れがこちらに傾いてきて

 

私のことをどう思っているかを聞くタイミングがついに巡ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

勇気をだして

 

聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『好きの概念、好きというもののなんたるかがわからない』

 

『自分は嫌いな人は容赦なく切る。だから君を嫌いではない』

『嫌いじゃない=好き

ではないでしょう。

でも長く続いてることが真実』

 

 

 

嫌いじゃないけど

好きってわけでもない

という受け止め方でいい?それがしっくりくる?

 

 


『君がそれでしっくりくるならいいけど、落胆するならそうではない』

 

 

 

今まで女の人を好きになったことがあるでしょ。

それとは違うってことでいい?

 

 

『例えばあそこのドラックストアのお姉さん可愛くて好きだな、というものとは違う』

 

 

 

 

なぜ私とずっと付き合ってるの?

 

 

『必要だから』

 

『でもソウいう相手としてという意味ではない』

 

『とはいえ、むしろ逆に俺のことはソウいうフレンドだと言われたほうが気軽な気持ちで会えることは確か』

『そう言われたほうが自分は気持ちがいい。そう言われても君への気持ちは今までと変わらないから』

 

 

 

 

なぜ必要なの?

 

 

『女…。残った女。いい意味で』

 

 

手元に残った残り物ってこと?

 

 

『いやそれは違う』

 

 

 

 

 

 

 

よくわからなかった…

 

けど

好きだと断言して言えないのだな、ということだけはわかった。

 

 

逆にアイツは「自分のどこが好きなのか」を執拗に聞きたがった。

私はここの記事に書いたことをそのまま伝えた。

納得はしてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残った必要な女、か。

 

3〜4時間ぶっ通しでLINEした。

 

アスペルガーのアイツが1番苦手なのが心のやりとり、交流だ。

それをこれだけの時間をかけてやり、さぞや疲れたことだろうし、面倒だっただろう。

 

やっとの思いでアイツから引き出した【残った必要な女】という言葉。もうこの日、これ以上は聞けなかった。

 

でも今回のアイツは、アスペルガーの自分が使った言葉で私が拗ねたり落ち込んだりするのを恐れ

 

『これってマイナスな言葉なの?』

『悪いようにとってる?』

 

言葉の選び方で私にマイナスな意識を持たせないように非常に気をつかっていた。

他人に対して使う言葉で、何が失礼だとか不快に思われるかとかがわからないのは、アスペルガーの顕著な特徴だ。

 

逆に私が言うことで意味がわからない時は、具体的な説明を求められた。理解しようという努力は感じられた。

『考え方は理解したけど(自分が言った言葉の)言い回しを変えたくは無い』

理解してくれたならそれでいいわ。

 

今までアイツからそんな気遣いをされたことがなかったから、彼の中での進歩なのかもしれない。

 

 

 

 

とりあえず

私としてはこの際なので

 

ちゃんと言葉を聞かないと無理です、と言っておいた。

 

アイツが答える答えないに関わらず、私の言いたいことは頑張ってできるだけ伝えた。

 

 

 

 

でも結局、彼はハッキリ言わなかったし、やっぱりそんなに好きってわけではないんだろうなと思った。

 

 

なんだか少しサッパリしたけど、同時に微妙に失恋気分にもなった。

 

『だからそういう言い方されるからな…失恋も何も、今までも今も俺は何も変わってないのに』

 

 

そりゃ貴方はね

そうでしょうよ。

 

 

普通の感覚を持ち合わせていないアイツと認識を一致させるのは

 

ほんとに至難の業。