【アーカイブ➆】

2008年記

 

 

アイツは離婚した。

 

しかし私とのことは今更関係ないだろう。

 

アイツは若くしてできちゃった婚で家庭を持っていた。

 

『愛してないけど一緒になった』と、ボヤいていたのを聞いた事がある。

 

『愛していなくても、一応家族として家庭生活を維持する努力はしている』

そう言っていた。

 

それでも子供のことは溺愛していた。

 

しかしどんなに子供が可愛くても、愛していない相手と一緒にいることが耐えきれなくなったのだろうか。

 

妻はいわゆるキャリアウーマンで、妻子とは遠距離婚だった。

 

これも気持ちが更に離れた大きな原因の一つだろう。

 

しかし子供の心を傷つけたことだけは、深く悲しんでいる様子だった。

 

 

私は

『ご苦労様でした』

とだけメールした。

 

 

 

アイツは私にきいた。

 

『君は離婚とか考えてないの?』